日本代表アスリート兼スポーツメンタルトレーナーの中嶋です!

最近、メンタルトレーニングのセッションで『格下の選手と戦うときにプレッシャーが強く、緊張して上手くプレーできない』という相談を何件か受けたので、そんなときの考え方、メンタルの整え方をシェアしていきたいと思います。

まず、スポーツをやっていない人や、格下に対してプレッシャーを受けない方は「お、格下と試合か。じゃ、楽勝だな!」と思いますよね。

では、アスリート目線で見たときはどうでしょう?

私自身も強く感じてましたが、勝ち負けを求められている中で、『勝って当然』とか『負けちゃいけない相手』って状況は意外とプレッシャーになりやすいんですね。

試合で格下選手から受けるプレッシャー

なんで格下選手と戦うときにプレッシャーになるのか?

アスリートの心理を覗いてみましょう。

ここでは『勝って当然』ってのがポイントですね。

では格下選手と試合で当たり、しっかりプレーして勝ちきったとします。

その時の周りの評価は

「ま、そりゃそうだよね。」

ってな感じ。

はい、塩対応です。しょっぱいです。笑

そして、負けちゃった日にゃ何て言われるのか。

「え、この相手に負けちゃったの?」

「ダメダメじゃん。アイツも落ちたな。」

もー、最低の烙印を押されるわけですよ。

どーですか?

こう考えると、プレッシャーしかないわけですよ。

そして、ランキングが上がれば上がるほどランキング上では格上よりも格下の方が多くなります。

ある意味、“第1シード”ってポジションになればその大会では全員ランキング上においては格下ですからね。

(※逆にここまで来ると『勝つことが自分らしい』という感覚は強いことが多いのでパフォーマンスが著しく落ちることも少ないのですが。ただ、優勝したときに時に勝利の喜びよりも、「あー、やっと終わった、、」という安堵感が強い時は別の意味で黄信号。優勝することが『義務化』してきてる証拠です。プレッシャーによるパフォーマンス低下よりもモチベーション(やる気)に影響が及ぼしてる状態。←ここについては別記事で。)

 

今回の格下からのプレッシャーを受けやすいのはそのレベルでやっと勝ち始めた選手に多い気がします。

では、このようなプレッシャーで緊張し、パフォーマンスが出ない時の状態を数値で見てみましょう。

スポーツは、必ずしも格上が勝つとは限らない

ものすごくザックリした数字で説明しますので細かいツッコミはお控えください。

自分の実力が200だとします。

このようにプレッシャーが強く掛かって、本来の実力の60%しか出せなかったとします。

その場合出せた実力は120になりますよね。

そして、対戦相手は格下で実力は150。

だが、失うものの無い状態で思いきってプレーし140の実力を出しきったとします。

すると、どうでしょう?

実力やランキングでは自分の方が上。

だけども大いに負けてしまう可能性はありえるんですね。

このようにスポーツって必ずしも格上が勝つとは言い切れないんです。

その時々のメンタル、戦術、相性、環境によってかなり左右されてしまうんですね。

アスリートが背負う重圧

以上のことから、試合前に周囲が「今回の相手は楽勝だね!」「この相手に負けちゃダメだよね!」「勝てなきゃヤバイっしょ!」などの声掛けは極力避けていただきたいのが1つ。

しかし、プロアスリートになれば周囲の人々の期待も相当です。

場合によっては国中の期待を背負ってプレーする、なんてことも出てくるワケです。

となると、「今回の相手は楽勝だね!」「この相手に負けちゃダメだよね!」「勝てなきゃヤバイっしょ!」と直接、メディア越しに、SNSで言われるというシチュエーションは避けられません。

場合によっては、監督ですらこのようなことを言ってくることはあります。

このような高プレッシャー下で本来のパフォーマンスを出して行くにはどのようにメンタルを整えていったら良いでしょうか?

パフォーマンスを出すためには今ここに集中

結論から言います。

『どれだけ、今その瞬間のプレーに集中出来ているか?』

です。

言うが易しとは良く言ったもので、「それが難しいんだ!」って声が聞こえてきそうですね。笑

メンタルトレーニングでの試合でのパフォーマンス発揮に関しては究極的にここに向かっていけるように様々な角度からアプローチをしていきます。

今回、説明していきたいことは、本来同じことをするにしても状況によって難易度が変わるということ。

例えばテニスの

・練習をしててパコパコ気持ち良くボールを打っている時。

・すごく大事な試合で5-5のデュースの時

何かやることって違います?

その瞬間にやることって何ですか?

『ボールを追いかけて打つ』

以上!

そうです、極論やることは一緒なんです。

とってもシンプル。

じゃ、何が違うのか?

それは失うもの(失うと思ってしまっているもの)の大きさです。

失うものの大きさでプレッシャーは変わる

想像してください。

あなたの目の前に高さ50cm、幅20cm、長さ5mの平均台があります。

その平均台を渡ることは簡単ですか?

恐らく、ほとんどの人が「簡単だ」と答えると思います。

↑「難しい」と思ってしまった方、、なんかゴメンナサイ。笑

では、質問を変えます。

同じく高さ50cm、幅20cm、長さ5mの平均台があります。

この平均台を高さ200mのビルとビルの間に置いたとします。

遥か下には自動車や通行人が豆粒のように見え、もし足を滑らせたら100%死ぬ状況。

あなたはこの平均台を渡れますか?

、、どうでしょう?

「難しい」と答える方がかなり増えるのではないでしょうか?

ちなみに、私も間違いなく「難しい」と答えます。

だって恐いもん。

↑おいw

今回は大袈裟に例を挙げましたが、試合中にこれと同じことが起こっているんですね。

要は、格下に負けることを異常に恐れて、『いつもなら簡単なことを、とてつもなく難しいことに感じさせてしまっている』ってことを何となく掴んでいただければOKです!

今、その瞬間に集中するためには

試合中に何が起こっているかは分かった。

簡単なことを勝手に難しい状況下に感じてしまっていることは分かった。

で、じゃどうするか?

『どれだけ、今、その瞬間のプレーに集中できるか』

って所に話を戻しましょう。

今回は格下に負けることがプレッシャーなんですよね。

ここのプレッシャーをクリアにしていくのにも色んな方法がありますが、1つ紹介します。

そもそも、格上格下って概念が余計です。

いらなくないですか?格上格下って。

ちなみに、みなさんは格上格下って何で判断していますか?

プレッシャーを受けやすいという方が陥りやすいのはただただランキングや戦績で判断してしまうというパターン。

ランキングで相手を判断した場合、見てるのはただの数字であって、相手本人ではありません。

ここで大事なことは“相手がどんな選手なのかを分析する”ということ。

「ランキングが高いから強いだろう」

「ランキングが低いから弱いだろう」

この状態って相手の何が分かってますか?

何も分かってないですよね。

基本的に対人スポーツでは相手によって戦術を多少なり変えざるを得ないのですが、戦い方を考察する際に大事なのは相手の情報です。

・どんなプレースタイルか?

・どんなパターンやショットが得意か?

・どんなパターンやショットが苦手か?

・相手は自分よりどの要素で上回っているか?

・自分は相手よりどの要素で上回っているか?

・どんなクセがあるか?

etc、、

それに対して“自分がどんな戦い方をしたら勝てる可能性が上がるのか”を考えていきたいですよね。

ランキングで相手を判断することは真っ白な霧の中で訳も分からず相手と戦っているようなもの。

ただただ、謎の不安に襲われています。

けど、視界が開けて相手がしっかり見えたらどうでしょう?

不必要な不安はなくなり、今やるべきことが見えてくるハズ。

自分の得意なパターンを貫くべきか、相手の弱点に合わせるのか、、そこの選択肢に正解は無く、その時次第ですが、考える発想を持つことが出来ます。

で、こんな風に相手選手の特徴を挙げていくとどうでしょう?

格上、格下って感覚はどっちでも良くないですか?

ランキングが上下ってどっちでも良くないですか?

対戦成績に対して何回勝ってて、何回負けてるかってどっちでも良くないですか?

今、考えるべきなのは

“その選手がどんな選手か?”

“ その相手に対してどう戦っていくか?”

という部分だけです。

そうやって“どう戦っていくか?”にフォーカスすることで何が起こるか?

やるべきことに集中しやすくなるんです。

今、この瞬間に集中しやすくなるんです。

相手を分析し、自分がどんなプレーをすること重要かってことにフォーカスすることが

結果的にプレーへの深い集中状態を作りやすくなるんですね!

格上、格下に対してプレッシャーを受けやすいな、、という方は是非、プレーに集中する状態を作るためにも格上、格下という概念よりも“相手がどんな選手か?”をできるだけ具体的に探り、“じゃ、自分はどんなプレーをするか?”に目を向けることにトライしてみてください!

そして、そのような戦い方をした上で負けた場合、それはただの負けではなく、それは

“次の勝利への第一歩”。

試合の中で得ることはたくさんあったはずなので、それを次に活かす行動をまた考えていきましょう。

まとめ

・スポーツでは格上、格下と格付けされ、格上が優勢とされる。

・だからこそ、格下選手と対戦する時に、必要以上にプレッシャーを感じ、緊張してしまう選手は少なくない。

・その中でも本来のパフォーマンスを出し切るには『 その瞬間に集中していること』が大事。

・しかし、試合の中や、もしくは“ 平均台を渡る”など、同じ行動をするにしてもその時の状況の捉え方で難易度は変わってくる。

・そのような周囲の状況にとらわれずに本来の自分の実力を出し切るために、格上、格下という虚像の相手にとらわれずに、目の前にいる選手がどんな選手で、その選手に勝つためにはどんなプレーをしていきたいか?に目を向け、ゲームに集中していくことに繋げていきたい。

以上、格下からのプレッシャーについて考えてみた記事でした!

 

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